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コラム

2021/09/08

学校の特定建築物定期調査-よくある指摘や注意点(建物管理のポイント)

学校(*)は、建築基準法第12条の規定により、以下に該当する場合は、所有者または管理者が有資格者による特定建築物定期調査を実施し、その結果を特定行政庁に報告することが義務づけられています。
(*)学校の用途に供する部分の床面積の合計が100平方メートルを超える、かつ、特定行政庁が指定する場合

調査時のよくある指摘や注意点(建物管理のポイント)

① 外壁

外壁は、調査・判定基準に基づき、打診・目視等により劣化および損傷の状況等を確認します。学校では経年劣化に伴う外壁タイル等の外壁材の剥離やクラックを指摘される場合が多く、劣化が進んでいる場合には外壁タイル・モルタルの落下などの不具合も見られます。外壁落下に関わる事故は過去に何度も起きております。学校は、多数の児童が生活する場であるため、常に健全な状態を維持管理することが必要です。したがって、上述のような建築基準法の定期報告(特定建築物定期調査)が義務付けられている建物のみならず、報告義務のない建物であっても、計画的に外壁調査・改修を実施することが重要です。

関連記事:外壁調査の必要性と調査方法について(BV MAGAZINE)

② 屋上

屋上は、調査・判定基準に基づき、屋上面・屋根・パラペット・笠木・排水溝等の劣化および損傷の状況等を目視確認します。学校には植樹された木々や土の校庭があり、それら木々の葉や土埃が屋上に堆積しやすい環境となるため、点検時に排水溝(ドレーン含む)の詰まり、雑草が繁茂しているケースが多く見られます。屋上の排水溝は雨水が集積する場所であり、このような状態では雨漏りの原因となる場合があります。調査で指摘を受けないよう、日々のメンテナンスが大切です。

③ ブロック塀

塀は、調査・判定基準に基づき、耐震対策(建築基準法上求められる塀の高さ・厚さ・控え壁の有無等)と劣化および損傷の状況を確認します。学校にはブロック塀(補強コンクリートブロック造の塀)が多く見られ、2018年の大阪北部地震において、ブロック塀の倒壊により児童が亡くなったことは記憶に新しいことと思います。ブロック塀の調査は目視での確認が基本となりますが、目に見えない部分(基礎や内部の鉄筋等)については設計図書での確認が必須ですので、建物の所有者・管理者の皆様には竣工当時の書類、図書等を整理されることをお勧めします。

関連記事:建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について(BV MAGAZINE)

④ 建築設備

特定行政庁によっては、特定建築物定期調査に加えて、建築設備定期検査も実施する必要があります(換気設備・排煙設備・非常用の照明装置・給排水設備のうち特定行政庁が指定するもの)。学校の場合、排煙設備と非常用の照明装置の緩和規定があり、設置されていないことが多いですが、学校によっては設置されている場合があります。そのため予め図面等により設置されている設備を把握し、特定行政庁により指定された対象設備を漏れなく検査することが必要です。また、調査・判定基準に基づき、換気設備でしばしば指摘されるのが火気使用室(家庭科室等)における換気量の不足です。換気扇等の機器が経年劣化により本来の性能が発揮できていなかったり、フィルタの汚れ等により十分な換気量を得られなかったりすることで、二酸化炭素濃度の上昇等による人体への悪影響がありますので、定期的なメンテナンスを行うことをお勧めいたします。

⑤ その他(学校施設の非構造部材耐震点検)

建築基準法第12条の規定・調査とは異なりますが、最後に、学校施設の非構造部材耐震点検について紹介します。近年の大規模地震において、天井材・内装材・照明器具・照明器具など「非構造部材」の人的・物的な被害が数多く発生したため、文部科学省がガイドブックを作成し、その基準に沿った耐震点検が推奨されています。以下のページで点検の概要・範囲等を紹介していますので、ご参考にしてください。

関連情報:「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック」に基づく定期点検とは

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