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12条点検(建築基準法第12条 定期報告)の通知書が届いたら?
対応方法や無視した場合の罰則など

2022/2/14

12条点検(建築基準法第12条 定期報告)の通知書が届いたら?対応方法や無視した場合の罰則など

建築基準法に定められている12条点検の実施は、建築物の安全性等を保つために、特定建築物の所有者や管理者に対して義務付けられています。
12条点検の定期報告の通知が来たら、速やかに調査を手配する必要があります。定期報告を実施しなかった場合、罰則を受ける場合もあるため注意しましょう。
本記事では、12条点検の概要と報告書を行政に提出するまでの流れを紹介します。点検の通知を無視した場合についても解説するので、点検対象となる建築物や設備の所有者・管理者の方はぜひ参考にしてください。

12条点検とは?

12条点検とは?

建築基準法第12条に定められている特定の建築物において検査を行い、所管行政庁に報告することを「12条点検」と呼びます。ここでは、12条点検の概要と点検の周期について解説します。

12条点検の概要

12条点検とは、建築物やその設備の安全性を確保することを目的に、建築基準法によって定められた制度のことです。
対象となる特定建築物を所有または管理している者は、定期的に点検を実施し、特定行政庁に点検結果を報告しなければなりません。
点検の対象となるのは以下のとおりです。

点検の対象 点検項目
特定建築物 敷地および地盤、建築物の外部、屋上および屋根、建築物の内部、避難施設など
建築設備 換気設備、排煙設備、非常用の照明装置、給水設備および排水設備
防火設備 防火扉、防火シャッター、耐火クロススクリーン、ドレンチャーその他水幕を形成する防火設備
昇降機等 エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機、遊戯施設など

各点検の対象となる特定建築物は、病院や学校など、不特定多数の人が利用する施設が中心です。これらの建築物の老朽化や防火・避難設備の不備は、重大な事故につながる可能性があるため、建物とその設備の定期的な点検は欠かせません。

12条点検の点検周期

12条点検は概ね毎年から数年おきに実施され、その周期は特定行政庁ごとに個別に定められています。
なお、国は以下のように大まかな周期のみを提示しています。

  • 特定建築物
    おおむね半年~3年ごとに実施する(特定行政庁が定める時期に従う)
  • 建築設備、防火設備、昇降機
    おおむね半年~1年ごとに実施する(特定行政庁が定める時期に従う)

点検を行うには、点検業者の選定などの準備が必要です。取り扱っている建築物や設備がどの程度の周期になるのか、あらかじめ所管の特定行政庁に確認しておくとよいでしょう。

【12条点検】定期報告の通知書が届いたら?その後の流れを6ステップで解説

12条点検はどのように実施されるのでしょうか。ここでは、特定行政庁による定期報告の通知書が届くところから、点検の報告書を提出するまでの流れを詳しく解説します。

STEP1:定期報告の通知書が届く

検査時期が近づくと、特定行政庁から建物の所有者または管理者宛に定期報告を求める通知書が届きます。通知書には、提出すべき書類の内容や、提出期限、提出先などが記載されています。

【通知書サンプル】

  • 特定建築物定期調査
    特定建築物定期調査:参考画像
  • 建築設備定期検査
    建築設備定期検査:参考画像

通知を受け取ったら、通知内容を確認し、速やかに12条点検の準備をはじめましょう。

STEP2:依頼する検査会社を決める

12条点検は一級建築士や二級建築士、建築物調査員資格者など、特定の資格を持った人しか行えません。そのため、該当する資格所有者のいる検査会社などに点検を依頼するのが一般的です。
複数の業者から見積もりをとり、費用や対応の丁寧さなどを慎重に比較して、請負会社を決めましょう。
また、次のステップで必要書類を準備しますが、検査会社によっては書類準備のサポートを受けられない場合があります。選定の際はそのような点も判断材料にするとよいでしょう。

STEP3:必要書類を準備する

依頼する検査会社が決定したら、建築図面、確認申請書、確認済証・検査済証や消防設備点検報告書など、必要な書類を準備します。
初回調査時のみ必要な書類もあり、初めて調査を依頼する方は、慣れない書類の準備に不安を感じるかもしれません。ただし、サポートを受けられる検査会社を選定していれば、それほど心配はいりません。
必要書類の準備が終わったら、検査前までに検査会社に書類を送ります。不備がないか確認してもらうためにも、できるだけ早く書類を送りましょう。

STEP4:検査の日程を決め、検査を実施する

建物の用途・入居者の都合等を検討・打合せした上で、最適な検査の日程を決めます。
そして、入居者に事前に通知し、検査を実施します。

STEP5:検査会社から届いた報告書を確認する

建物の規模や検査の内容にもよりますが、検査日からおおむね1週間~3週間程度で、検査会社から報告書が届きます。報告書の内容を確認し、問題がなければ、その旨を検査会社に連絡します。
なお、報告書の提出は、特定行政庁ごとに定められた期間(検査日から3ヵ月以内を指定する行政庁が多い)に、特定行政庁に提出する必要があります。検査日から3ヵ月以上経過してしまうと報告書は無効となり、再検査を行なわなければならないため注意が必要です。
手元に書類が届いたら、できる限り早めの対応を心がけましょう。

STEP6:検査会社が報告書を特定行政庁に提出する

検査会社が報告書を特定行政庁に提出すれば手続きは完了です。
報告書の副本は、その場で返却または特定行政庁から所有者・管理者等へ郵送されます。

【12条点検】通知を無視した場合どうなる?

【12条点検】通知を無視した場合どうなる?

建築基準法の罰則規定では、12条点検の通知を無視して報告を怠った場合や、虚偽の報告をした場合、100万円以下の罰金に処する、とされています。
ただし、点検の通知を無視してすぐに罰則規定が適用されるわけではなく、罰則となる前に行政からの通知や立ち入り検査などが入るケースがほとんどです。
ここでは、点検の通知を無視した場合の一般的な流れを紹介します。

(1)行政通知が届く

期日までに報告書が提出されない場合、行政から再度通知が届きます。

(2)督促状が届く

通知を無視した場合、通知よりさらに強く点検を促す督促状が届きます。

(3)行政の立ち入り検査、直接指導が入る場合がある

督促状にも対応しなかった場合、所有者への面会や特定建築物への防災査察など、行政の立ち入り検査と直接指導が入る場合があります。

(4)物件名・所有者等が公表される

一部の行政庁では、物件名を公表している場合もあります。物件や所有者等が公表されると入居者やテナントからの印象が悪くなり、結果として資産価値が低下してしまうおそれもあります。

(5)罰金処分となる

建築基準法第101条2項に基づき、100万円以下の罰金が科せられます。

罰則の手順は行政によって異なり、上記の手順どおりに進むとは限りません。行政から通知が届いたら、速やかに対応することが大切です。
また、12条点検は建物の安全性を確保するためになくてはならないものです。「罰則があるから」という理由ではなく、建物を所有・管理する者としての責任を果たすためにも、点検を欠かさないようにしましょう。
過去には点検や適切な管理を怠ったことで、重大な事故に発展したケースもあります。
例えば、平成24年の広島県のホテル火災では、定期報告を38年間行なっていないことや排煙設備の未設置など、管理のずさんさから、火災により宿泊客7名が死亡し、従業員1名を含む4名が重傷を負いました。
そのほか、平成25年の福岡県の診療所で発生した火災では、建築確認の法令違反、防火設備の不適切な管理・運用などから、10名の患者が死亡し、4名が重傷を負いました。
このような重大事故を起こさないためにも、定期的な点検・報告が大切です。

まとめ

建築基準法に定められている12条点検は、特定建築物とその設備の安全性を保つため、特定建築物の所有者や管理者にその実施が義務付けられています。
罰則があるから点検を実施するのではなく、建物利用者の安全性を確保し、建物の資産価値を維持するためにも、法令を遵守して定期点検を行いましょう。
12条点検を円滑に行なうためには、検査の依頼先選びが大切です。必ず複数の会社から見積もりをとり、費用やサービス内容をしっかりと比較しましょう。
ビューローベリタスは、12条点検をはじめとする各種点検業務を承っています。多数の検査員が在籍し、年間8,500件もの検査・調査実績を持っており、高い業務品質を確保しています。
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