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屋外広告物の安全点検義務とは?検査項目や実施周期などについて詳しく解説

2022/5/10

2015年、札幌市で屋外広告物の一部が落下し、歩行中の女性の頭部にあたって、女性が重傷を負う事故が発生しました。この事故をきっかけに、すでに一定規模以上の広告物等の点検報告を義務化していた東京都に加え、全国の地方自治体において条例の制定や改定がされ、屋外広告物の安全点検の義務化が進んでいます(埼玉県・横浜市・島根県でも2022年4月1日より義務化となりました)。

この記事では、老朽化した屋外広告物の安全性を確認するために義務化が進んでいる、安全点検の概要について詳しく解説します。
点検項目や時期は地方自治体によって異なるため、点検の概要を把握したうえで各自治体のウェブサイトなどを調べ、適切な点検を実施しましょう。

安全点検義務化の対象となる「屋外広告物」とは?

安全点検の内容について解説する前に、まずは点検の対象となる「屋外広告物」とは何かを理解しておくことが大切です。
「屋外広告物」の定義は、屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項で定められています。

「屋外広告物」とは

(1)常時または一定の期間継続して(2)屋外(3)公衆に表示されるものであって、(4)看板、立看板、はり紙およびはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、または表示されたもの並びにこれらに類するもの

上記(1)~(4)までのすべての要件を満たしていれば、絵、商標、シンボルマークなどもすべて、屋外広告物とみなされます。

ただし、以下のような広告は、屋外広告物に該当しません。

  • 工場、野球場、遊園地内等で、その構内に入る特定の者のみを対象とするもの
  • 街頭演説等ののぼり旗等一時的で、かつ、設置者の直接的な管理下にあるもの
  • 単に光を発するもの(サーチライトおよび文字のない単一色の板への照明)
  • 音響のみの広告
  • 屋外から認識できる、ガラス窓の内側に裏貼りした文字など

出典:屋外広告の安全点検に関する指針(案)、東京都「屋外広告物のしおり

なお、屋外広告物の点検義務の対象となるかどうかは、すべての広告物、高さが4mを超えるもの、地上からの上端の高さが4mを超える位置に設置されたもの、表示面積が10㎡を超えるもの、その他の条件など、地方自治体によって異なります。
屋外広告物を管理または所有している場合は、まずは所在地の条例を確認し、ルールに則った所定の安全点検を実施する必要があります。

また、屋外広告物には、屋外広告物条例以外に建築基準法、景観法・景観条例、都市計画法、道路法・道路交通法などにより、さまざまな規制がなされています。広告を設置する際には、設置場所のさまざまな要件をあらかじめ把握しておくことが大切だといえるでしょう。

義務化が進む屋外広告物点検のおもな検査項目

屋外広告物を安全に維持するため、屋外広告物の所有者または管理者は、屋外広告物の状態を定期的に点検しなければなりません。
点検には、日常的に行うものと、有資格者に依頼して定期的に行うもの、地震や台風の後に行う臨時点検などがあります。
点検対象となる広告物と同様に、安全点検報告書の様式に記載された点検項目・点検内容も地方自治体によって異なります。必ず管轄の地域のウェブサイトなどを確認し、点検の内容を調べておきましょう。

また、屋外広告物のうち、規模が一定以上のものは、有資格者による点検が必須の場合があります。専門業者を手配するなどして、早めに検査の準備をすることをおすすめします。

屋外広告物点検のおもな検査項目は、以下のとおりです。

【看板所有者等による日常点検】

点検項目 対象の看板
支柱の根元からサビが出ていないか 建植看板(ポール看板・野立看板など)
看板が傾いていないか
ブラケット部からサビが出ていないか 袖看板
看板は壁から垂直についているか
アクリル板にひびが入っていないか 共通
アクリル板が外れそうになっていないか
パネル(表示面)がガタついていないか 野立看板・壁面看板
照明の不点灯がないか 共通
照明器具が傾いていないか 外照式看板
照明器具が外れかけていないか
看板部分が欠落していないか 共通

【専門業者による定期点検】

点検項目 対象の看板
溶接部分の亀裂や破断の状況 共通
ボルト・ビスのゆるみの状況
構造体の腐食やサビの状況
電気配線の劣化状況
開閉金具(蝶番・パチン錠など)の状況
外照式の器具・取付金具の状況 野立看板・壁面看板・屋上広告塔
コーキングの状況 袖看板・壁面看板

出典:東京都都市整備局「オーナーさんのための看板の安全管理ガイドブック

屋外広告物の安全点検の実施周期

安全点検の実施周期は自治体によって異なりますが、設置許可更新時のおおむね3年に1度が目安となっています。

【安全点検の周期の一例】

  • 神奈川県横浜市:おもに3年ごとに実施
  • 広島県尾道市:設置から6年目に点検、以降3年に1回実施

広告物の状態や種類によって、必要な点検の頻度・周期は異なります。地震や台風のあとには、広告物に異常がないか臨時で点検を行なう場合もあるので、各自治体のルールに従ってください。
点検で重要なのは、屋外広告物を安全で良好な状態に保持することです。できる限りこまめに点検を実施し、問題が発生しそうな場合は早めに修繕して、破損や老朽化を予防するようにしましょう。

一定規模以上の屋外広告物の安全点検を実施できる有資格者

先述のとおり、一定規模以上の屋外広告物の点検は、有資格者でなければ実施できません。点検可能な有資格者は、地方自治体によって規定が異なります。

東京都を例にとると、以下のいずれかの要件を満たした屋外広告物管理者が点検することとなっています。

  • 建築士法に規定する建築士
  • 電気工事士法に規定する電気工事士、またはネオン工事にかかわる特種電気工事資格者認定証の交付を受けている方
  • 電気事業法に規定する第1種・第2種・第3種電気主任技術者免状の交付を受けている方
  • 屋外広告物法第10 条第2項第3号イに規定する登録試験機関が実施する試験に合格した方(屋外広告士)

出典:東京都「屋外広告物のしおり

上記以外でも、職業訓練修了者や、上記有資格者同等以上の知識を有すると認められた者も、一定規模以上の屋外広告物安全点検を実施できるとしている自治体もあります。
いずれにしても、屋外広告のタイプに合わせて、その分野の知識を有した者に点検を依頼することが重要だといえるでしょう。

【屋外広告物】安全点検義務を怠った場合の罰則

看板等の広告主、所有者等には広告物の安全管理義務があり、義務を怠ると、30万円以下の罰金に処される場合があります。
点検義務を知らず、所有する屋外広告物の点検をしたことがない場合は、重大な事故に発展する前に、取り急ぎ点検を代行する会社に相談することをおすすめします。

点検業者を選ぶ際には、点検の実績や内容、費用などをもとに、複数の業者を比較検討してください。安全管理をスムーズに行なうために、点検や点検後の対応方法について、わかりやすく説明してくれる業者を選ぶのがポイントです。
屋外広告物の安全性を保つためにも、検査のスケジュールを把握し、点検を怠らないようにしましょう。

屋外広告物の安全点検のご依頼

屋外広告物の所有者や管理者は、屋外広告物の安全性を保つため、定期的に安全点検を実施しなければなりません。
点検の対象となる屋外広告物の種類や点検時期、点検項目は地方自治体によって異なります。各自治体のウェブサイトなどを確認し、点検時期を逃さないよう注意しましょう。

屋外広告物の安全点検でお困りの際には、建築基準法第12条定期報告の年間検査実績9,800件*を誇るビューローベリタスへご相談ください。
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屋外広告物点検のお見積もりから点検、報告書作成までの流れはこちらのページに詳しく掲載しているので、併せてご確認ください。

*2021年度実績

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