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特定建築物定期調査とは? 具体的な調査項目について紹介します

2022/1/12

特定建築物定期調査とは?

特定建築物定期調査とは、建築基準法(以下“法”とします)第12条によって定められた定期報告義務を根拠とする調査のことです。
劇場や映画館、ホテル、百貨店、学校など公共性が高く、規模や階数などの条件を満たした建築物を“特定建築物”とし、そのような建物を所有する所有者や管理者は、定期的に調査・報告を行なう義務を負います。
なお、以下3種類の検査・点検と合わせて、“12条点検”とも呼ばれます。

  • 建築設備定期検査:
    給排水設備、換気設備、非常照明設備、排煙設備など
  • 防火設備定期検査:
    防火扉、防火シャッター、耐火クロススクリーン、ドレンチャーその他の水膜を形成する防火設備など
  • 昇降機等定期検査:
    エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機、遊戯施設の昇降機(観覧車など)
    ※おもにエレベーター保守業者が実施する。

特定建築物定期調査の対象となる建物

特定建築物定期調査の対象となる建物と条件

特定建築物定期調査の対象となる“特定建築物”の条件は地域によって異なります。東京都を例に挙げると、以下17種類の建築物が対象となり、1~5は毎年の報告、6~17は3年ごとの報告が必要です。

  1. 劇場、映画館、演芸場
  2. 観覧場(屋外観覧席のものを除く)、公会堂、集会場
  3. 旅館、ホテル
  4. 百貨店、マーケット、勝馬投票券発売所、場外車券売場、物品販売業を営む店舗
  5. 地下街
  6. 児童福祉施設等
  7. 病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)、児童福祉施設等
  8. 旅館、ホテル(毎年報告のものを除く)
  9. 学校、学校に附属する体育館
  10. 博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場、体育館(いずれも学校に附属するものを除く)
  11. 下宿、共同住宅又は寄宿舎の用途とこの一覧(事務所等を除く)に掲げられている用途の複合建築物
  12. 百貨店、マーケット、勝馬投票券発売所、場外車券売場、物品販売業を営む店舗 (毎年報告のものを除く)
  13. 展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、 バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店
  14. 複合用途建築物(共同住宅等の複合用途および事務所等のものを除く)
  15. 事務所その他これに類するもの
  16. 下宿、共同住宅、寄宿舎
  17. 高齢者、障害者等の就寝の用に供する共同住宅又は寄宿舎

出典: 東京都都市整備局『定期報告が必要な特定建築物・防火設備・建築設備・昇降機等及び報告時期一覧』

上記のような建物の用途に加えて、さらに規模や階数など細かい条件があります。所有する建築物が特定建築物に当たるかどうかは、必ず管轄の特定行政庁のウェブサイトを確認してください。

なお、特定建築物定期調査の対象となる一般的な建物の条件については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:
特定建築物定期調査の対象となる建物とは?~ 一覧で詳しく紹介します ~

特定建築物定期調査の調査項目

特定建築物定期調査の調査項目

それでは特定建築物定期調査の具体的な調査項目を確認していきましょう。

特定建築物定期調査の調査項目(1)敷地および地盤

敷地および地盤の項目では、地盤、敷地、塀、擁壁などを目視や計測で調査します。

  • 地盤の調査では、沈下や傾斜により、安全性に問題がないかを確認します。
  • 敷地の調査では、排水が詰まっていないか、敷地内通路の幅が確保されているか、通路に障害物がないか、などをチェックします。
  • 塀の調査では、建築基準法施行令(以下施行令)に基づく耐震対策などの安全基準を満たしていることが重要なポイントです。目視のほか図面や計測によって詳細に状況を確認します。
  • そして擁壁がある場合には、土砂の流出がないか、水抜きパイプに詰まりがないか、といった内容がおもな調査項目となります。

特定建築物定期調査の調査項目(2)建築物の外部

建築物の外部とは基礎、躯体・外壁、サッシなどのことを指し、目視のほか打診や赤外線診断などで詳しく調査します。

  • 基礎は沈下などによるひび割れがないか、欠損や劣化で鉄筋が露出していないか、などがおもな調査項目です。該当の建物が木造の場合には、土台にシロアリなどの腐食がないかどうかも調べます。
  • 躯体や外壁については、剥離やひび割れの状況をチェックします。木造の場合だと腐食の有無、鉄筋コンクリート造の場合は鉄筋のむき出しをともなうような損傷がないかも調査します。防火地域や準防火地域の場合、防火基準を満たしていることも重要です。そのほか、新築・改築後10年を超えた建築物は外壁面の全面調査が必要とされています。
  • 窓やサッシは、腐食の有無を調べたり、正しく作動するかを確認したりします。はめ殺し窓の場合、ガラスの落下防止措置がとられているかどうかも調査対象です。

さらに、建物の外部に広告板や室外機が設置されている場合には、落下しないようにしっかりと固定されているか、といった点も調査項目の一つです。

特定建築物定期調査の調査項目(3)屋上および屋根

屋上の調査では、屋上、屋根、冷却塔設備などを目視や打診で調べます。

  • 屋上本体は、著しいひび割れや反り返りの有無のほか、伸縮目地の損傷などで雑草などが生えていないか、といった点が重要な項目です。
  • また、屋上のパラペットなどの立ち上がり面については、モルタルのひび割れや白華(綿状の吹出物や反転)など仕上げ材の劣化・損傷がないか、排水口が詰まっていないかなども調査します。
  • 屋根は著しい損傷や欠損の有無が主な調査項目です。防火地域や準防火地域の場合、法に適合しているか、図面から確認します。
  • 屋上に冷却塔や広告塔などが設置されている場合は、固定部分に損傷や劣化がないかどうかも調査します。

特定建築物定期調査の調査項目(4)建築物の内部

建築物の内部については、防火区画、壁、床、天井、防火設備、採光、換気、建築材料の状況を目視や打診で調査します。

  • 防火区画は施行令による基準を満たしているかどうかが調査項目です。図面による確認のほか、壁や戸の劣化や損傷も目視点検します。
  • 壁や床は、劣化や損傷、腐食がないことが重要です。防火区画の場合は、防火性能を欠くような劣化などがないかどうかも確認します。なお、耐火基準は図面で確認しますが、配管の貫通部分などは目視確認をします。
  • 天井は脱落・落下対策が必須です。また、照明器具が落下するようなさびや腐食、損傷がないかも調査します。
  • 防火扉などの防火設備は、施行令に適合しているかどうかが調査項目です。さらに正しく作動するか、閉鎖の障害となるものはないか、といった点も詳細に確認します。
  • 採光や換気は法と施行令による規定があります。採光は図面などをもとに、換気は実際の動作をもとに、異常がないかを確認します。

さらに、建材としてアスベストが使われている場合、劣化状態によってはさらに細かい調査を求められるケースもあります。ほかにも、改築や増築の際はアスベスト資材の除去や封じ込めが必要になることもあるため、工事実施の前に必ず確認しましょう。

特定建築物定期調査の調査項目(5)避難施設など

避難施設では通路、出入口、バルコニー、階段、排煙設備、その他の設備を調査します。

  • 廊下や出入口は施行令に基づく最低限の幅があるか、障害物がないか、図面のほか、計測により確認します。また、避難通路も各部屋から階段までの距離が施行令で定められているため、図面をチェックします。
  • 階段は、施行令による幅の確保や障害物の有無、手すりの設置状況などが調査項目です。
  • バルコニーを避難に使う建築物である場合、手すりの劣化や損傷、避難用ハッチの動作などについて、有事の際にスムーズに避難できる状況であるかどうかも調べます。
  • 排煙設備は施行令の規定どおりに正しく設置されているかを図面で確認するとともに、作動するかを点検し、そのほか非常用エレベーターや非常用照明も調査します。

まとめ

特定建築物定期調査では、建築物の所有者や管理者に定期的な調査報告が義務づけられています。調査項目は細かく分かれていますが、事前に内容を把握しておくことで、早めに対策をとることが可能です。しかし、実際に調査が行なえるのは専門技術を持つ有資格者に限られるため、建築物の所有者や管理者に有資格者がいない場合には、専門業者に依頼する必要があります。

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